アウトリガー敷板とは？プラスチック敷板との違い
工事現場でよく使用される「敷板」には用途によりさまざまな種類があります。同じ「敷板」でも、本来の用途ではない使い方をすると危険です。たとえば、プラスチック敷板をアウトリガー用敷板として使うことはできません。本記事ではその理由について解説します。
アウトリガー用敷板とは
アウトリガー用敷板は、アウトリガー使用の際、ジャッキ（アウトリガーの下部）と地面の間に敷く板です。アウトリガーとは、クレーン付きトラックや高所作業車などに備わっている、車体から地面に向かって腕のように張り出す転倒防止装置のことです。
アウトリガーの接地部分には非常に高い圧力がかかるため、その接地圧を小さくするためにアウトリガー用の敷板が必要になります。角型で厚みと強度があり、アウトリガーベースとも呼ばれます。サイズは300～500mm角、厚みは50mm程度、重量は5～10kg程度のものが多く、材質はプラスチック製や木製があります。
アウトリガー用敷板の用途
アウトリガー用敷板の用途は、荷重分散による安定性の確保・路面保護です。
クレーン付き車両を用いた工事では、車両の転倒による死亡事故も起きています。アウトリガーが接地する地盤が軟弱である、整地されていないなど、安定性に欠けることが原因のひとつです。事故防止のためには、地盤を改良したり、アウトリガー用敷板によってクレーンの荷重分散を図ったりといった対策をする必要があります。
また、歩道など敷石路面にアウトリガーがめりこんだり、アウトリガーの接地面が地面を強くこすることで路面に傷がついたりすることもあります。そうならないよう、アウトリガー用敷板を使用して路面を保護することをおすすめします。
プラスチック敷板とは
プラスチック敷板とは、プラスチック（樹脂）でできた敷板のことです。1枚の重さが20kgから40kg前後と軽量で、工事現場でよく使われる敷鉄板とくらべて作業効率向上や経費削減が期待できます。
プラスチック敷板の用途
工事現場内をトラックや重機が走行する際、路面に傷・汚れをつけてしまう恐れがある場合や、舗装されていない軟弱地盤ではタイヤがスタックしてしまう、わだちができてしまうといった場合があります。プラスチック敷板を敷くことで、路面の保護や非舗装路でのスムーズな車両走行が可能になるため、工事現場出入口や仮設道路、資材置き場、仮設駐車場などの用途に使われています。
プラスチック敷板はなぜアウトリガー用敷板として使用できないのか
プラスチック敷板とアウトリガー用敷板は、路面保護という用途は共通しています。大きく異なるのは荷重分散の有無です。
プラスチック敷板は適度な柔軟性をもっていて、地面に敷くと、その地表になじむようになっています。つまり地表が凹んでいれば、その上に敷いたプラスチック敷板も凹みになじんで、しだいに反っていきます。また、プラスチック敷板にかかる荷重を分散することはできません。クレーン付き車両がプラスチック敷板の上を走行する場合であれば使用に問題ありませんが、クレーン作業をするためにアウトリガーを張り出すことは避けていただいています。
いっぽうアウトリガー用敷板は、クレーンや高所作業車の作業によってアウトリガーにかかる大きな荷重を分散し、安定性を確保する方法のひとつとして使われます。そのため、プラスチック敷板をアウトリガー用敷板として使用することはできないのです。
「敷板」にはさまざまな種類がありますが、それぞれの特徴や用途を知り、適切な製品を選びたいですね。本記事がお役に立てれば幸いです。
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